パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 あまりにも意外な言葉に、私はぽかんとしたまま彼を見上げてしまう。
 あの日と変わらない、吸い込まれそうなほどまっすぐな瞳が、私だけを見つめていた。
「あっ、あれは、その……社交辞令だと思っていて。当然のことをしただけですから、お礼をいただくようなことでは……」

 そう、彼は何百人もの命を預かり、安全な空の旅を届けるために日々操縦桿(そうじゅうかん)を握るプロフェッショナルだ。そんな人に対して、私がしたことといえば、たまたまタクシーを相乗りしませんかと声をかけただけで、お金まで払ってもらったのだから、むしろお礼を言うのは私のほうだと言ってもいい。

「やっぱり、いいな」
「え? 今、なんて……?」
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