パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
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「高瀬専務、こちらにお目通しを」
フライトのない日は、こうしてTKS本社に顔を出し、グループの経営に関わる仕事をこなすことも俺の役目だった。
俺はTK航空の操縦士であると同時に、TKSグループの専務取締役でもある。とはいえ、今はパイロットとしての仕事を優先しており、本格的に経営を担うのはまだ先になる。それでも、できる限りグループ会社の状況は知っておきたいと思っていた。
そんな俺のもとへ、専務秘書の川上基樹がタブレットを差し出してきた。表示されているのは、TKSグループ全体の経営報告書だった。
TKSグループの主力事業は航空業だが、ホテル、不動産、飲食と事業は多岐にわたり、その何万という社員の頂点に立つのが、俺の父・高瀬正人だ。
TK航空を含むグループを率いる三代目であり、周囲からは歴代で一番優秀な経営者だと言われている。俺にとって最も尊敬する人間であり、ひとりの男として向き合い、尊重してくれる父だった。
パイロットとして十分な経験を積んでから経営に携わりたいと打ち明けた時も、父は一瞬だけ複雑そうな表情を浮かべたものの、『やるからには、機長まできちんとやり遂げろ』と背中を押してくれた。
その期待に応えるためにも、俺は誰より努力し、最年少での機長昇格を目標に日々飛び続けている。