最弱探偵
【10 一時的な記憶喪失により(5)】
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・【10 一時的な記憶喪失により(5)】
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すると虎太郎お兄ちゃんがハッとした面持ちで、僕と王茶先生の顔を交互に見てから、
「いや犯人もどうやったかも大体分かりましたよ」
と声に出して、僕と王茶先生は「えぇぇええええ!」という声がユニゾンした。
僕よりも先に王茶先生が、
「おちゃまー! じゃあ何が難しいのよー!」
とバンザイしながら言うと、虎太郎お兄ちゃんはう~んと唸りながら、
「まあとにかく、もう一度浅田先生のもとへ行きましょう。それと王茶先生、依頼主は浅田先生じゃないんですよね?」
僕はビックリしながら、
「え! あの浅田先生って人が依頼主じゃないのっ?」
すると王茶先生が我先にって感じに、
「そよー、校長先生が依頼主よー。でも基本の窓口は担任である浅田先生がするって、浅田先生本人がそう言い出したらしいんだわねっ」
虎太郎お兄ちゃんはうんと頷いてから、
「ではまず浅田先生のもとへ行って、私の推理が本当に合っているか確認しに行きましょう」
職員室にそのまま行くと、浅田先生も、あの女性の先生もいた。
浅田先生に対して、虎太郎お兄ちゃんは妙に大きな声で、
「最近! 村井さんの悪行は減ってきていますか!」
と聞くと浅田先生よりも先に女性の先生が声を出した。
「はい! 調理室を勝手に使うことがあれ以来無くなりました! 偶然じゃないんですかっ?」
すると即座に虎太郎お兄ちゃんはその女性の先生のほうを向きながら、
「直近のフライパンは綺麗なままなのに置く場所が間違っていたりしませんでしたか?」
女性の先生は「え!」と声をあげてから、
「確かに置く棚が違う時、直近でありました! あれってわたしの勘違いだと思っていたんですけども、違うんですか! 何で分かったんですか!」
虎太郎お兄ちゃんはちょっと悩んでいるようなポーズをしていると、全く別の男性の先生が、
「話戻るけども、悪行減ってるのって、もしかすると脅されているとか?」
すぐにさらに別の男性の先生が、
「いや記憶喪失じゃ脅されていても覚えていないだろ」
さらにさらに別の男性の先生が、
「もしかすると記憶喪失になって人格が変わったとか? そういうのネットで見たことあるわ」
それに対しては「それだー」という声で何人かが声を揃えた。
浅田先生は少し自慢げに「まあ一時よりは減りましたね、もしかしたらおれの指導のおか・・・」と言いかけたところですぐに女性の先生が、
「浅田先生は何もしていません!」
とピシャリと言い切って、浅田先生はそのまま不機嫌そうに黙ってしまった。
女性の先生はちょっと熱々な感じで、
「で! それこそ話戻りますが! フライパンの置き場所って何か意味あるんですか!」
虎太郎お兄ちゃんはまた何だか悩んでいるポーズ……だけで、ちょっと演技クサい感じで押し黙ってから、
「いや、フライパンが綺麗ならやっぱり違うかもです。すみません」
と答えると、その女性の先生は「あ、そですかぁ……」と俯いた。
さてさて、虎太郎お兄ちゃんが大きな声で聞いたのは周りの先生の反応を見るためだということは僕でも分かった。で、充分な反応を見れたんだと思う。
ではこれからどうするのかと思っていると、虎太郎お兄ちゃんは、
「それでは、もとの依頼主である校長先生の部屋へ行きましょう」
と言い、職員室をあとにしたので、僕と王茶先生はそれについていった。
校長室はどうやら職員室の向かいっぽいけども、虎太郎お兄ちゃんはツカツカと近くの階段をあがっていく、ので、王茶先生が、
「校長室はあそこよー」
と指差すと、虎太郎お兄ちゃんが小声で「パソコン室へ行きます」と言ったので、僕と王茶先生も出来るだけ足音を立てないように階段をあがっていった。
やっぱり犯人はあの坂本さんと石谷さんなのか? と思いながら歩き、パソコン室の前に着いたところで、中から知らない男性の野太い声がした。
「んなはずねぇだろってばよぉ! それなら覚えてるわ! 絶対に! 車に轢き逃げされたんだろ! 俺は!」
もう王茶先生はノックもせず、部屋を開けると、そこには185センチくらいの大柄の男子生徒がノッチさんの胸倉を掴んでいた。
王茶先生はそれを見るなり、走ってそっちへ駆け寄り、
「おちゃまー! 喧嘩はダメよー!」
と大柄の男子生徒に近付くと、大柄の男子生徒はノッチさんから手を離して、王茶先生のほうを向いた。
王茶先生はその勢いのまま、まるで柔道をするように大柄の男子生徒の服を掴んだ。大柄の男子生徒は王茶先生の腕を払おうとしたんだけども、全然払えず、大柄の男子生徒が溜息をつき、
「いいよ、何もしねぇよ、だから放せ、誰だテメェ、ゴリラ女」
と王茶先生に言い放ち、王茶先生は手を離してから、
「おちゃまー! ゴリラ女じゃないわー! 記憶喪失の事件を解決に来た、チームおうちゃまの王茶真央よ!」
すると大柄の男子生徒は急に背筋を正し、
「王茶真央、選手……U―18ワールドカップの女子柔道王者! ど! 動画見てました!」
そう言って急に頭を下げた大柄の男子生徒。
王茶先生は何だか鼻高々に、
「あー、あの雑魚しかいなかったからもう辞めたヤツねー」
と言うと、その大柄の男子生徒は、
「あのあと! 銀メダルの選手がオリンピックで優勝していましたけども! 王茶真央選手がいたら絶対王茶真央選手だったと思います!」
「やめてよー、そのたらればー」
そう言いつつ、王茶先生はちょっと嬉しそうだった。
というか、え、何か話がよく分かんないんだけども……もしかすると王茶先生って、僕よりも全然強いって感じ?
何かあったら僕が虎太郎お兄ちゃんのことも王茶先生のことも守る気でいたけども、ただ早熟な僕よりも全然強い、のか……?
・【10 一時的な記憶喪失により(5)】
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すると虎太郎お兄ちゃんがハッとした面持ちで、僕と王茶先生の顔を交互に見てから、
「いや犯人もどうやったかも大体分かりましたよ」
と声に出して、僕と王茶先生は「えぇぇええええ!」という声がユニゾンした。
僕よりも先に王茶先生が、
「おちゃまー! じゃあ何が難しいのよー!」
とバンザイしながら言うと、虎太郎お兄ちゃんはう~んと唸りながら、
「まあとにかく、もう一度浅田先生のもとへ行きましょう。それと王茶先生、依頼主は浅田先生じゃないんですよね?」
僕はビックリしながら、
「え! あの浅田先生って人が依頼主じゃないのっ?」
すると王茶先生が我先にって感じに、
「そよー、校長先生が依頼主よー。でも基本の窓口は担任である浅田先生がするって、浅田先生本人がそう言い出したらしいんだわねっ」
虎太郎お兄ちゃんはうんと頷いてから、
「ではまず浅田先生のもとへ行って、私の推理が本当に合っているか確認しに行きましょう」
職員室にそのまま行くと、浅田先生も、あの女性の先生もいた。
浅田先生に対して、虎太郎お兄ちゃんは妙に大きな声で、
「最近! 村井さんの悪行は減ってきていますか!」
と聞くと浅田先生よりも先に女性の先生が声を出した。
「はい! 調理室を勝手に使うことがあれ以来無くなりました! 偶然じゃないんですかっ?」
すると即座に虎太郎お兄ちゃんはその女性の先生のほうを向きながら、
「直近のフライパンは綺麗なままなのに置く場所が間違っていたりしませんでしたか?」
女性の先生は「え!」と声をあげてから、
「確かに置く棚が違う時、直近でありました! あれってわたしの勘違いだと思っていたんですけども、違うんですか! 何で分かったんですか!」
虎太郎お兄ちゃんはちょっと悩んでいるようなポーズをしていると、全く別の男性の先生が、
「話戻るけども、悪行減ってるのって、もしかすると脅されているとか?」
すぐにさらに別の男性の先生が、
「いや記憶喪失じゃ脅されていても覚えていないだろ」
さらにさらに別の男性の先生が、
「もしかすると記憶喪失になって人格が変わったとか? そういうのネットで見たことあるわ」
それに対しては「それだー」という声で何人かが声を揃えた。
浅田先生は少し自慢げに「まあ一時よりは減りましたね、もしかしたらおれの指導のおか・・・」と言いかけたところですぐに女性の先生が、
「浅田先生は何もしていません!」
とピシャリと言い切って、浅田先生はそのまま不機嫌そうに黙ってしまった。
女性の先生はちょっと熱々な感じで、
「で! それこそ話戻りますが! フライパンの置き場所って何か意味あるんですか!」
虎太郎お兄ちゃんはまた何だか悩んでいるポーズ……だけで、ちょっと演技クサい感じで押し黙ってから、
「いや、フライパンが綺麗ならやっぱり違うかもです。すみません」
と答えると、その女性の先生は「あ、そですかぁ……」と俯いた。
さてさて、虎太郎お兄ちゃんが大きな声で聞いたのは周りの先生の反応を見るためだということは僕でも分かった。で、充分な反応を見れたんだと思う。
ではこれからどうするのかと思っていると、虎太郎お兄ちゃんは、
「それでは、もとの依頼主である校長先生の部屋へ行きましょう」
と言い、職員室をあとにしたので、僕と王茶先生はそれについていった。
校長室はどうやら職員室の向かいっぽいけども、虎太郎お兄ちゃんはツカツカと近くの階段をあがっていく、ので、王茶先生が、
「校長室はあそこよー」
と指差すと、虎太郎お兄ちゃんが小声で「パソコン室へ行きます」と言ったので、僕と王茶先生も出来るだけ足音を立てないように階段をあがっていった。
やっぱり犯人はあの坂本さんと石谷さんなのか? と思いながら歩き、パソコン室の前に着いたところで、中から知らない男性の野太い声がした。
「んなはずねぇだろってばよぉ! それなら覚えてるわ! 絶対に! 車に轢き逃げされたんだろ! 俺は!」
もう王茶先生はノックもせず、部屋を開けると、そこには185センチくらいの大柄の男子生徒がノッチさんの胸倉を掴んでいた。
王茶先生はそれを見るなり、走ってそっちへ駆け寄り、
「おちゃまー! 喧嘩はダメよー!」
と大柄の男子生徒に近付くと、大柄の男子生徒はノッチさんから手を離して、王茶先生のほうを向いた。
王茶先生はその勢いのまま、まるで柔道をするように大柄の男子生徒の服を掴んだ。大柄の男子生徒は王茶先生の腕を払おうとしたんだけども、全然払えず、大柄の男子生徒が溜息をつき、
「いいよ、何もしねぇよ、だから放せ、誰だテメェ、ゴリラ女」
と王茶先生に言い放ち、王茶先生は手を離してから、
「おちゃまー! ゴリラ女じゃないわー! 記憶喪失の事件を解決に来た、チームおうちゃまの王茶真央よ!」
すると大柄の男子生徒は急に背筋を正し、
「王茶真央、選手……U―18ワールドカップの女子柔道王者! ど! 動画見てました!」
そう言って急に頭を下げた大柄の男子生徒。
王茶先生は何だか鼻高々に、
「あー、あの雑魚しかいなかったからもう辞めたヤツねー」
と言うと、その大柄の男子生徒は、
「あのあと! 銀メダルの選手がオリンピックで優勝していましたけども! 王茶真央選手がいたら絶対王茶真央選手だったと思います!」
「やめてよー、そのたらればー」
そう言いつつ、王茶先生はちょっと嬉しそうだった。
というか、え、何か話がよく分かんないんだけども……もしかすると王茶先生って、僕よりも全然強いって感じ?
何かあったら僕が虎太郎お兄ちゃんのことも王茶先生のことも守る気でいたけども、ただ早熟な僕よりも全然強い、のか……?