最弱探偵
【18 鋭利な刃物(6)】
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・【18 鋭利な刃物(6)】
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早坂先生は優しい笑顔で対応している。早坂先生も女子生徒から話し掛けられる状況を楽しんでいるのかもしれない。
小百合さんは食べ始めたら早くて、すぐに完食し、デジタルカメラを取り出して、周りの様子を写真で撮り出した。
というか今の時代、スマホじゃなくてデジタルカメラで撮影するってちょっと珍しいかも、と思っていると、神楽さんが、
「おい! 小百合! 俺と王茶選手のツーショット撮ってくれよ!」
と言い、小百合さんは一瞬”何で”って顔をしたけども、神楽さんがあまりにも満面の笑みだったからだろう、すぐに”まあいいか”って顔になり、写真を撮ってあげていた。
神楽さんも王茶先生も笑顔でピースをしている。小百合さんは一度撮りだすと熱心になるようで、いろんな角度や、時にポーズを要求して撮っている。
それに対して神楽さんも王茶先生も楽しそうに応えて、写真を撮ってもらっている。ここは本当に楽しそうだ。
虎太郎お兄ちゃんは十徳ナイフを鯖井さんに返したんだけども、その鯖井さんの返事は適当で、それよりも早坂先生と会話したいって感じだった。
すると早坂先生が、
「少しお手洗いに。この山頂にはお手洗いが整備されているからね」
と言って立ち上がると、レジャーシートにいた僕以外の全員が立ち上がり、早坂先生は慌てながら、
「男子トイレだから。鯖井さんと御嬢さんはそのまま座ってもらって、虎太郎くんもお手洗いかい?」
「はい、どこにあるか知っておきたいので」
「じゃ! 僕も!」
と挙手しながら立ち上がり、早坂先生は、
「じゃあ三人で行こうか」
と優しい笑顔で言ってくれて、トイレに向かった。
そのトイレは最近完成した道の駅のトイレくらい綺麗に整っていて、この私立高校ってお金があるんだなぁ、って感じだ。
僕も一応用を足すことにすると、ふと虎太郎お兄ちゃんが、
「早坂先生は本当に人気がありますね、あれはただ好きな先生って感じじゃないですね、恋をしているというか」
すると早坂先生は大きく溜息をついてから、
「本当困るんですよね、あういうの。ぼくの話を聞いてくれやすいだけでいいのに、あんなアタックされても面倒なだけですよ。虎太郎くんもイケメンなんで経験あるんじゃないんですか? 聡明そうですし」
割と嫌そうというか、面倒クサそうにそう言った早坂先生。それは僕たち二人が邪魔という意味じゃなくて、あの鯖井さんと御嬢さんが嫌って感じだった。
虎太郎お兄ちゃんは唸り声をあげてから、
「私は、私のような最弱と接して頂けるだけで有難いという感覚ですね」
と言うと、早坂先生はプフゥッと吹き出してから、
「どうしてそんなに自己肯定感が低いんですか!」
でもすぐに続けるように、
「いや笑うことじゃないですよね、すみません。でも興味の無い人から話し掛けられることは苦痛じゃないですか?」
虎太郎お兄ちゃんは悩んでから、
「興味の無い人、というのが無いんですよね、皆様素敵な個性をお持ちで、興味津々です」
早坂先生は用を足し終えて、手を洗ってから、
「虎太郎くん、君こそ教師になるべきです。大学へ行って学んで教師になるべきです。虎太郎くんこそ正しい教師になれると思います。君の両親は中学卒業したら農家を促している。そりゃ農家も立派な仕事です。でも人には適材適所があります。虎太郎くん、何かあればぼくも力になるので、連絡先を交換しましょう」
僕はふと、
「そうやって女子生徒とも連絡交換するんですか?」
すると早坂先生はムッとしてから、
「誰がそんなことするんですか。ぼくは女性芸人さんが大好きなんです。何も面白味の無い女子生徒なんて眼中にありません」
何か余計なことを聞いてしまったかもと思って、ちょっとシュンとしてしまうと、すぐに早坂先生が、
「いや捜査として聞いてくださったんですよね、今日はそういう日だと分かっているのにこんな言い方をしてしまい申し訳御座いません。でも眼中には無いですが、生徒に何かあればちゃんと守りますよ、それは男子女子問わず、ですがね。行きましょうか」
早坂先生と僕と虎太郎お兄ちゃんは用を済まして、また元いたスポットに戻った。道中に虎太郎お兄ちゃんから本当に小さな声で、
「女子生徒との連絡先交換を聞いてくださったことは有難かったです」
と言ってくれて、僕はホッと胸をなでおろした。
早坂先生が鯖井さんと御嬢さんの視界に入るなり、鯖井さんも御嬢さんも駆け寄ってきて、早坂先生大変だなぁ、って同情してしまう。
小百合さんは何故か王茶先生一人を写真で撮っていて、王茶先生はミニトマトを可愛く食べようとしているポーズとかとっている。
またそれを神楽さんが「最高です!」とか声を掛けているので、なおも王茶先生は調子に乗っているみたいだった。
虎太郎お兄ちゃんは僕へ、
「ここから一人ずつ呼び出して、話を聞きますか」
と言い、虎太郎お兄ちゃんはまず、一番暇そうではある神楽さんに声を掛けた。
「ああ、別にいいぜ。どうせ王茶選手の写真はあとでもらうことになっているし」
王茶先生ってそんな求心力があるんだと思いつつ、誰もいないスポットへ行こうとすると、虎太郎お兄ちゃんが、
「被害者が刺されたスポットへ連れてってくれませんか? 知っていますか?」
神楽さんは少し戦々恐々としながら、
「そんなところで会話ってマジかよ」
「いや会話じゃないんです。そのスポットの周りを改めて捜索したいのですが、一緒にしてくれますか?」
「俺容疑者だろ」
「私の見立てでは神楽さんは犯人じゃないので」
「マジかよ、信じてくれてサンキューな」
「神楽さんの体躯があれば、こんな容疑者が絞られる時に犯行を行なう必要が無いので」
「まーなー」
そう言って後ろ頭に手を当てた。
虎太郎お兄ちゃんは続けて、
「それに、インターハイ優勝を狙っている人は事件なんて起こさないです。事件を起こすのは、かばわれ慣れている人だけです」
「マジかよ、かばわれ慣れているということは女子? いや早坂も女子からかばわれているか」
「まあそこは言えませんが」
「だよな」
そこから被害者が刺されたスポット周りを三人で捜索し始めた。
・【18 鋭利な刃物(6)】
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早坂先生は優しい笑顔で対応している。早坂先生も女子生徒から話し掛けられる状況を楽しんでいるのかもしれない。
小百合さんは食べ始めたら早くて、すぐに完食し、デジタルカメラを取り出して、周りの様子を写真で撮り出した。
というか今の時代、スマホじゃなくてデジタルカメラで撮影するってちょっと珍しいかも、と思っていると、神楽さんが、
「おい! 小百合! 俺と王茶選手のツーショット撮ってくれよ!」
と言い、小百合さんは一瞬”何で”って顔をしたけども、神楽さんがあまりにも満面の笑みだったからだろう、すぐに”まあいいか”って顔になり、写真を撮ってあげていた。
神楽さんも王茶先生も笑顔でピースをしている。小百合さんは一度撮りだすと熱心になるようで、いろんな角度や、時にポーズを要求して撮っている。
それに対して神楽さんも王茶先生も楽しそうに応えて、写真を撮ってもらっている。ここは本当に楽しそうだ。
虎太郎お兄ちゃんは十徳ナイフを鯖井さんに返したんだけども、その鯖井さんの返事は適当で、それよりも早坂先生と会話したいって感じだった。
すると早坂先生が、
「少しお手洗いに。この山頂にはお手洗いが整備されているからね」
と言って立ち上がると、レジャーシートにいた僕以外の全員が立ち上がり、早坂先生は慌てながら、
「男子トイレだから。鯖井さんと御嬢さんはそのまま座ってもらって、虎太郎くんもお手洗いかい?」
「はい、どこにあるか知っておきたいので」
「じゃ! 僕も!」
と挙手しながら立ち上がり、早坂先生は、
「じゃあ三人で行こうか」
と優しい笑顔で言ってくれて、トイレに向かった。
そのトイレは最近完成した道の駅のトイレくらい綺麗に整っていて、この私立高校ってお金があるんだなぁ、って感じだ。
僕も一応用を足すことにすると、ふと虎太郎お兄ちゃんが、
「早坂先生は本当に人気がありますね、あれはただ好きな先生って感じじゃないですね、恋をしているというか」
すると早坂先生は大きく溜息をついてから、
「本当困るんですよね、あういうの。ぼくの話を聞いてくれやすいだけでいいのに、あんなアタックされても面倒なだけですよ。虎太郎くんもイケメンなんで経験あるんじゃないんですか? 聡明そうですし」
割と嫌そうというか、面倒クサそうにそう言った早坂先生。それは僕たち二人が邪魔という意味じゃなくて、あの鯖井さんと御嬢さんが嫌って感じだった。
虎太郎お兄ちゃんは唸り声をあげてから、
「私は、私のような最弱と接して頂けるだけで有難いという感覚ですね」
と言うと、早坂先生はプフゥッと吹き出してから、
「どうしてそんなに自己肯定感が低いんですか!」
でもすぐに続けるように、
「いや笑うことじゃないですよね、すみません。でも興味の無い人から話し掛けられることは苦痛じゃないですか?」
虎太郎お兄ちゃんは悩んでから、
「興味の無い人、というのが無いんですよね、皆様素敵な個性をお持ちで、興味津々です」
早坂先生は用を足し終えて、手を洗ってから、
「虎太郎くん、君こそ教師になるべきです。大学へ行って学んで教師になるべきです。虎太郎くんこそ正しい教師になれると思います。君の両親は中学卒業したら農家を促している。そりゃ農家も立派な仕事です。でも人には適材適所があります。虎太郎くん、何かあればぼくも力になるので、連絡先を交換しましょう」
僕はふと、
「そうやって女子生徒とも連絡交換するんですか?」
すると早坂先生はムッとしてから、
「誰がそんなことするんですか。ぼくは女性芸人さんが大好きなんです。何も面白味の無い女子生徒なんて眼中にありません」
何か余計なことを聞いてしまったかもと思って、ちょっとシュンとしてしまうと、すぐに早坂先生が、
「いや捜査として聞いてくださったんですよね、今日はそういう日だと分かっているのにこんな言い方をしてしまい申し訳御座いません。でも眼中には無いですが、生徒に何かあればちゃんと守りますよ、それは男子女子問わず、ですがね。行きましょうか」
早坂先生と僕と虎太郎お兄ちゃんは用を済まして、また元いたスポットに戻った。道中に虎太郎お兄ちゃんから本当に小さな声で、
「女子生徒との連絡先交換を聞いてくださったことは有難かったです」
と言ってくれて、僕はホッと胸をなでおろした。
早坂先生が鯖井さんと御嬢さんの視界に入るなり、鯖井さんも御嬢さんも駆け寄ってきて、早坂先生大変だなぁ、って同情してしまう。
小百合さんは何故か王茶先生一人を写真で撮っていて、王茶先生はミニトマトを可愛く食べようとしているポーズとかとっている。
またそれを神楽さんが「最高です!」とか声を掛けているので、なおも王茶先生は調子に乗っているみたいだった。
虎太郎お兄ちゃんは僕へ、
「ここから一人ずつ呼び出して、話を聞きますか」
と言い、虎太郎お兄ちゃんはまず、一番暇そうではある神楽さんに声を掛けた。
「ああ、別にいいぜ。どうせ王茶選手の写真はあとでもらうことになっているし」
王茶先生ってそんな求心力があるんだと思いつつ、誰もいないスポットへ行こうとすると、虎太郎お兄ちゃんが、
「被害者が刺されたスポットへ連れてってくれませんか? 知っていますか?」
神楽さんは少し戦々恐々としながら、
「そんなところで会話ってマジかよ」
「いや会話じゃないんです。そのスポットの周りを改めて捜索したいのですが、一緒にしてくれますか?」
「俺容疑者だろ」
「私の見立てでは神楽さんは犯人じゃないので」
「マジかよ、信じてくれてサンキューな」
「神楽さんの体躯があれば、こんな容疑者が絞られる時に犯行を行なう必要が無いので」
「まーなー」
そう言って後ろ頭に手を当てた。
虎太郎お兄ちゃんは続けて、
「それに、インターハイ優勝を狙っている人は事件なんて起こさないです。事件を起こすのは、かばわれ慣れている人だけです」
「マジかよ、かばわれ慣れているということは女子? いや早坂も女子からかばわれているか」
「まあそこは言えませんが」
「だよな」
そこから被害者が刺されたスポット周りを三人で捜索し始めた。