幸せの苦痛
3話「もう一度」
三か月という時間が過ぎる頃、僕は少しずつ学校のことを考えるようになった。
もちろん、怖さがなくなったわけではない。
教室に入ったら、どんな顔をされるだろう。
何か言われたら、どうすればいいだろう。
休んでいた間の授業についていけるだろうか。
不安は、いくつもあった。
それでも、ずっとこのままでいたいわけではなかった。
学校へ行きたいという気持ちは、僕の中に残っていた。
ある日、僕は高橋先生に言った。
「……そろそろ、学校に行ってみようかな」
電話の向こうで、先生が少しだけ明るい声を出した。
「そうか。でも、無理はするなよ」
「はい」
「行ってみて、難しかったらまた考えればいい。今日できることを、今日できる分だけやろう」
その言葉を胸に、僕は久しぶりに制服を着た。
鏡に映った自分は、以前と何も変わっていないように見えた。
けれど、僕の中では何かが違っていた。
怖くても、戻ってみよう。
以前とまったく同じには戻れなくても、もう一度、自分の生活を取り戻したい。
そう思った。
学校へ向かう道は、見慣れているはずなのに、どこか知らない場所のようだった。
校門が近づくにつれて、足取りが重くなった。
それでも、僕は一歩ずつ進んだ。
教室の扉を開けたとき、いろいろな視線を感じた。
驚いた顔。
何も言わずに見ている顔。
いつもどおりに話しかけてくれる友達。
すべてが同じではなかった。
けれど、すべてが敵というわけでもなかった。
「悠真、久しぶり」
蓮が声をかけてくれた。
「……久しぶり」
「元気だった?」
「まあ、ぼちぼち」
うまく笑えたかどうかは分からない。
でも、蓮のその一言が嬉しかった。
僕は、戻ってきたのだ。
まだ不安はある。
また苦しくなる日もあるかもしれない。
それでも、止まっていた時間を、少しずつ動かしていこうと思った。
もちろん、怖さがなくなったわけではない。
教室に入ったら、どんな顔をされるだろう。
何か言われたら、どうすればいいだろう。
休んでいた間の授業についていけるだろうか。
不安は、いくつもあった。
それでも、ずっとこのままでいたいわけではなかった。
学校へ行きたいという気持ちは、僕の中に残っていた。
ある日、僕は高橋先生に言った。
「……そろそろ、学校に行ってみようかな」
電話の向こうで、先生が少しだけ明るい声を出した。
「そうか。でも、無理はするなよ」
「はい」
「行ってみて、難しかったらまた考えればいい。今日できることを、今日できる分だけやろう」
その言葉を胸に、僕は久しぶりに制服を着た。
鏡に映った自分は、以前と何も変わっていないように見えた。
けれど、僕の中では何かが違っていた。
怖くても、戻ってみよう。
以前とまったく同じには戻れなくても、もう一度、自分の生活を取り戻したい。
そう思った。
学校へ向かう道は、見慣れているはずなのに、どこか知らない場所のようだった。
校門が近づくにつれて、足取りが重くなった。
それでも、僕は一歩ずつ進んだ。
教室の扉を開けたとき、いろいろな視線を感じた。
驚いた顔。
何も言わずに見ている顔。
いつもどおりに話しかけてくれる友達。
すべてが同じではなかった。
けれど、すべてが敵というわけでもなかった。
「悠真、久しぶり」
蓮が声をかけてくれた。
「……久しぶり」
「元気だった?」
「まあ、ぼちぼち」
うまく笑えたかどうかは分からない。
でも、蓮のその一言が嬉しかった。
僕は、戻ってきたのだ。
まだ不安はある。
また苦しくなる日もあるかもしれない。
それでも、止まっていた時間を、少しずつ動かしていこうと思った。