幸せの苦痛
3章「2人の幸せ」
1話「君の隣」
付き合い始めてから、毎日が少しずつ変わった。
学校で顔を合わせるだけでも嬉しかった。
メッセージが届けば、すぐに画面を開いた。
返事が来るまでの時間さえ、どこか特別に感じていた。
僕たちは、いろいろな場所へ出かけた。
一緒に歩いて、話して、笑って。
特別な場所じゃなくてもよかった。
二人でいられるなら、それだけで十分だった。
帰り道に手を繋いだときのことを、僕は今でも覚えている。
初めて繋いだときは、どうしていいか分からなかった。
手の温かさが気になって、歩く速度までぎこちなくなった。
「緊張してる?」
美桜が笑いながら聞いてきた。
「……してない」
「うそ。顔に出てる」
「うるさいな」
そう言いながらも、僕は手を離さなかった。
むしろ、離したくなかった。
その手が温かかったから。
その隣に彼女がいてくれたから。
あのときの僕は、何でもない帰り道が、いつまでも続けばいいと思っていた。
けれど、学校では二人の関係を秘密にしていた。
誰かに知られたら、何かが変わってしまう気がした。
今までどおり友達と笑っていたかったし、二人の関係を周囲の話題にされたくなかった。
だから僕たちは、学校では普通の同級生のように振る舞った。
二人でいるときだけ、恋人同士に戻る。
それが僕たちの選んだ形だった。
学校で顔を合わせるだけでも嬉しかった。
メッセージが届けば、すぐに画面を開いた。
返事が来るまでの時間さえ、どこか特別に感じていた。
僕たちは、いろいろな場所へ出かけた。
一緒に歩いて、話して、笑って。
特別な場所じゃなくてもよかった。
二人でいられるなら、それだけで十分だった。
帰り道に手を繋いだときのことを、僕は今でも覚えている。
初めて繋いだときは、どうしていいか分からなかった。
手の温かさが気になって、歩く速度までぎこちなくなった。
「緊張してる?」
美桜が笑いながら聞いてきた。
「……してない」
「うそ。顔に出てる」
「うるさいな」
そう言いながらも、僕は手を離さなかった。
むしろ、離したくなかった。
その手が温かかったから。
その隣に彼女がいてくれたから。
あのときの僕は、何でもない帰り道が、いつまでも続けばいいと思っていた。
けれど、学校では二人の関係を秘密にしていた。
誰かに知られたら、何かが変わってしまう気がした。
今までどおり友達と笑っていたかったし、二人の関係を周囲の話題にされたくなかった。
だから僕たちは、学校では普通の同級生のように振る舞った。
二人でいるときだけ、恋人同士に戻る。
それが僕たちの選んだ形だった。