神獣の花嫁・掌篇〜秘めた想い〜
やたら図体デカいし猫背だし柄悪そうと思って避けてたけど。
懇親会の同じテーブルで話したら普通よりちょいおバカな所が可愛いと思えなくもなかった。
……なんか、いろいろチョロいな、私も。
「そこは普通、さん付けじゃない? まぁいいけどねー」
私は阿呆男の首の後ろに両腕を回してポンポンと軽く肩を叩き、親愛の情を示してやる。
別に減るもんじゃないから、ハグぐらい全然オッケー。
「……んん? あれ……?」
すん、くらいなら可愛げがあるのに、滅茶苦茶クンクン首の匂いを嗅いできやがった。
コイツ、現世も変態お間抜け犬なんかいっ!
「──転々?」
酔いが一気に覚めたように、こちらを見る、黒眼と薄茶色の眼のオッドアイ。
心底驚いたような真顔だ。
今頃気づいたのか、この阿呆な甲斐犬め。
だけど私はニッコリと笑ってみせる。
「何? 転々て? 私の名前は逢里だよ?」
「いや、じゃなくて、転々だろ? は? 意味分かんねえ。何で今まで黙ってんだよ」
納得いかないって顔で見られても、私の答えは一緒だ。
「ヤダ朗くん、相当酔っぱらってるね。ご家族に迎えに来てもらおうか? お兄さん……貴さん来てくれるかな?」
「アニキじゃねーし! アイツのが弟だし。
つか、貴のコト知ってんの、おかしいだろ、どう考えても──って、それ、オレのスマホ……」
「あ、犬貴……じゃなかった、貴? ……そう、私。
コイツ今頃気づいて人ん家で騒いでるから、連れ帰ってくれる? ──ん、ヨロシク〜」
私は甲斐犬の獣人が前世だとのたまう阿呆面をした男の額に、デコピンを食らわせてやった。
「っ……、やっぱ転々じゃねーかっ!!」
懇親会の同じテーブルで話したら普通よりちょいおバカな所が可愛いと思えなくもなかった。
……なんか、いろいろチョロいな、私も。
「そこは普通、さん付けじゃない? まぁいいけどねー」
私は阿呆男の首の後ろに両腕を回してポンポンと軽く肩を叩き、親愛の情を示してやる。
別に減るもんじゃないから、ハグぐらい全然オッケー。
「……んん? あれ……?」
すん、くらいなら可愛げがあるのに、滅茶苦茶クンクン首の匂いを嗅いできやがった。
コイツ、現世も変態お間抜け犬なんかいっ!
「──転々?」
酔いが一気に覚めたように、こちらを見る、黒眼と薄茶色の眼のオッドアイ。
心底驚いたような真顔だ。
今頃気づいたのか、この阿呆な甲斐犬め。
だけど私はニッコリと笑ってみせる。
「何? 転々て? 私の名前は逢里だよ?」
「いや、じゃなくて、転々だろ? は? 意味分かんねえ。何で今まで黙ってんだよ」
納得いかないって顔で見られても、私の答えは一緒だ。
「ヤダ朗くん、相当酔っぱらってるね。ご家族に迎えに来てもらおうか? お兄さん……貴さん来てくれるかな?」
「アニキじゃねーし! アイツのが弟だし。
つか、貴のコト知ってんの、おかしいだろ、どう考えても──って、それ、オレのスマホ……」
「あ、犬貴……じゃなかった、貴? ……そう、私。
コイツ今頃気づいて人ん家で騒いでるから、連れ帰ってくれる? ──ん、ヨロシク〜」
私は甲斐犬の獣人が前世だとのたまう阿呆面をした男の額に、デコピンを食らわせてやった。
「っ……、やっぱ転々じゃねーかっ!!」