その溺愛、予想外につき。

*第7話 君だけに見える弱さ

レッスンが終わると、スタジオに静けさが戻った。

さっきまで流れていた音楽も止まり、聞こえるのはみんなの荒い息と、床に落ちる水滴の音だけ。

私は壁に手をつきながら、そっと右足首に触れた。

レッスンの途中から、少しだけ痛かった。
でも、最後まで踊りきりたくて、ずっと気づかないふりをしていたのだ。

「……いたっ」

小さく声が漏れる。

その瞬間、背後から声がした。

「足、どうしたの?」

振り返ると、るかが立っていた。

「何でもない」

反射的に答える。

けれど、るかはじっと私の足元を見ていた。

「何でもない人は、そんな顔しないよ」

「どんな顔」

「痛いの我慢してる顔」

図星だった。

私は視線をそらす。
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