極東4th
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『あわわわわ…』
早紀の、奇声が聞こえた。
鎧の内部から反響するように、真理に伝わってくる。
相変わらずの、緊張感の足りなさだ。
しかし、それは彼女がステルスを解いたということで。
用意した医者と、自分の判断で戻していいという二つの条件を、早紀が飲んだのだろう。
うるさい。
ステルスを解けとは言ったのは確かだが、やはりつながるとそう思わずには言われない。
本人が、いろいろ混乱しているせいか、伝わってくる音もこんがらがっていたのだ。
意味不明の、しかし現状に関する単語だけが、鎧の中を飛び交う。
おっと。
早紀がうるさいということは、敵さんには自分が見えているということだ。
突然現れた真理に、一瞬驚いて止まっていた重症の天族が、はっきりと目的を持って剣を掲げて突進してきている。
斜め下方では、別の火花が散り始めていた。
「なんだ…その力はっ!」
動くのもやっとのはずの真理の敵は、しかし、剣と共に問いを発する。
見えない彼の能力に、問わずにいられなかったのか。
フッ。
敵の質問に、答えるわけがない。
敵に贈るものは、答えなどではなく、苦痛だと決まっているのだから。
剣を受け流し、真理は左手の指で自分の刀の表面を、強くなぞった。
鋭い指の動きに、多くの氷の棘が刀からへし折られ宙を舞う。
真理は──冷気を呼んだ。
「貫け…」
冷気に乗った氷の棘が。
金の鎧に突き刺さってゆく。
「我が名はカシュメル…貴様は、先の大空蝕には参戦したのか?」
宙で崩れ行く敵に、真理は名乗り、そして問いかけた。
ああ。
そして、気づいた。
敵に問いかけなどしても無駄だ、と。
さっき、自分がそう思ったではないか。
敵に与えるものは──苦痛のみ。
真理は。
最後の一撃を、振り下ろした。
『あわわわわ…』
早紀の、奇声が聞こえた。
鎧の内部から反響するように、真理に伝わってくる。
相変わらずの、緊張感の足りなさだ。
しかし、それは彼女がステルスを解いたということで。
用意した医者と、自分の判断で戻していいという二つの条件を、早紀が飲んだのだろう。
うるさい。
ステルスを解けとは言ったのは確かだが、やはりつながるとそう思わずには言われない。
本人が、いろいろ混乱しているせいか、伝わってくる音もこんがらがっていたのだ。
意味不明の、しかし現状に関する単語だけが、鎧の中を飛び交う。
おっと。
早紀がうるさいということは、敵さんには自分が見えているということだ。
突然現れた真理に、一瞬驚いて止まっていた重症の天族が、はっきりと目的を持って剣を掲げて突進してきている。
斜め下方では、別の火花が散り始めていた。
「なんだ…その力はっ!」
動くのもやっとのはずの真理の敵は、しかし、剣と共に問いを発する。
見えない彼の能力に、問わずにいられなかったのか。
フッ。
敵の質問に、答えるわけがない。
敵に贈るものは、答えなどではなく、苦痛だと決まっているのだから。
剣を受け流し、真理は左手の指で自分の刀の表面を、強くなぞった。
鋭い指の動きに、多くの氷の棘が刀からへし折られ宙を舞う。
真理は──冷気を呼んだ。
「貫け…」
冷気に乗った氷の棘が。
金の鎧に突き刺さってゆく。
「我が名はカシュメル…貴様は、先の大空蝕には参戦したのか?」
宙で崩れ行く敵に、真理は名乗り、そして問いかけた。
ああ。
そして、気づいた。
敵に問いかけなどしても無駄だ、と。
さっき、自分がそう思ったではないか。
敵に与えるものは──苦痛のみ。
真理は。
最後の一撃を、振り下ろした。