極東4th
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「真理…いいかな?」

 ノックと声は、修平のもの。

 部屋で調べものをしていた真理は、「ああ」と促しながら椅子を立ち上がった。

 扉が開くと。

 修平が、一人ではないのが分かる。

「前に頼まれていた人を、見つけてきたんだけど」

 彼の斜め後ろ。

 針金のように、まっすぐな長い黒髪の女。

 黒いレースに覆われた服。

 真っ黒な手袋と長いブーツという重装備で、肌の露出を顔だけにとどめている。

 石膏像のように整いすぎた顔に、燃えるような強い瞳。

 よくよく見ると、少し幼い感じが残っている。

 まだ、学生ではないのか。

 先日、確かに真理は、修平にこう頼んだ。

『魔力を補充できる魔族を』

 真理は、まっすぐに彼女を見た。

 大きな瞳が、同じようにまっすぐ見返す。

 魔女らしい魔女の目だ。

「魔力は、通常の魔族のおよそ2倍…十分じゃないか?」

 修平は、これぞ目玉商品とばかりに、彼にアピールする。

 しかし、その声音には多少のひっかかりを覚えた。

 無理やりアピールしているかのように、聞こえたのだ。

 何か、隠しているな。

 それを、真理は感じ取ったのだ。

「名前と年齢」

 真理は、修平を通り越し、彼女に直接言葉を投げた。

「タミ、16歳」

 つっけんどんな、とんがった返事。

 年齢の印象は、どうやら間違っていなかったようだ。

 ということは。

「1年…ハイかローか?」

 続けた質問に、一瞬修平の指先が反応した。

 タミは、その大きな目で、わずかの間天井を見た。

 小さな吐息。

「ハイクラスよ」

 なるほど。

 真理は、納得した。

 これに修平は、触れて欲しくなかったのだと、分かったのだ。
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