極東4th
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「へぇ…」

 夢の中。

 鎧の男は、面白そうに早紀を見る。

 そんなに彼女が、へこんでいるのが楽しいのだろうか。

 しゃべる気も起きずに、早紀はそこらに座り込んだ。

「面白いもの…持ち込んだじゃないか」

 伸びる、黒い金属の指。

 それが──早紀の髪に伸びる。

 はっと、彼女は身を引いた。

 そして。

 気づいた。

 夢の中だというのに、自分の髪に絡んだままの、あのリボンを。

 どうして、夢の中にこれが一緒に来てしまったのか。

「そうビクつくなって…鎧ってのは、結構いい加減でな。力なら…実は、何だって受け入れるんだよ」

 彼の言葉は、まるでこのリボンが何で出来ているか、知っているかのようだった。

 ここは、鎧自身の世界。

 そこに持ち込んだものなのだから、正体を知っていてもおかしくはない。

 だが、彼はそれを責めたりはしなかった。

「面白いもんに…会って来たんだろ? そいつをくれた奴、さ」

 逆に。

 鎧は、楽しくてしょうがない声をあげる。

 どうして、他の種族に会ったことを喜べるのか。

 敵なのに。

 だから──真理には、隠した。

 嘘をつこうとしたのだが、それで彼をかわせるとは、思わなかったのだ。

 嘘をついてしまえば、きっと暴かれる。

 あの真理なら、そうする。

 早紀は、言わないという道を選んだ。

 その決意を、唇に乗せて守ろうとしたのである。

「似合ってるぜ…そいつ…お前さんには、一番似合う色だ」

 真理と向かい合った時を思い出して、早紀は震えそうになっていた。

 それを、鎧は軽い声で破る。

 見上げる早紀を尻目に、彼は今度こそ鎧の指でリボンに触れる。

「お前の中にも…同じ色があるだろ?」

 ちゃぷんっ。
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