極東4th
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 静かで、身体に吸い付くような心地よい鎧。

 早紀が、最初からステルスをオンにしているのが、そこから伝わってくる。

 契約でつながっていながらも、本能的に何もかもを隠すことの出来る女。

 蝕へ飛びながら、真理は鎧の鼓動を探ろうとした。

 タミの言う、他の力の混じりを何か感じるかと思ったのだ。

 しかし、不快感も違和感も、そこには見つけることが出来なかった。

 ただ。

 首筋から、武器を引き抜こうとした時。

 その感触と、形の意味を理解した。

 ああ。

 そうか。

 これか。

 水馬刀に似ていると、最初にそう思った。

 下賤な形の武器。

 それは、強くないという意味ではない。

 海族が、好んで使う形だからだ。

 鎧の能力や武器は、イケニエにした魔女によって変わる。

 この武器は、まさに早紀から生まれた刀だった。

 おそらく、早紀には海族が混じっている。

 それを知らずに、真理は自分の鎧に使ってしまったワケだ。

 考えたことは、いくつか。

 一番は、勿論家名や体裁のこと。

 自分の代が終わるまで──いわゆる、真理が死ぬまで抱えておくべき重要事項だ。

 同じ運命を、早紀にも共にしてもらわねばならない。

 疑問を打ち捨て、ただ自分は純粋な魔族であると刷り込むのだ。

 簡単だ。

 早紀の、父親の情報を与えればいい。

 それは、本当のことでなくとも構わないのだから。

 その情報で、早紀ともどもタミも黙らせる。

 彼女の混じったような能力は、ただの突然変異なのだと。

 そう、信じさせるのだ。

 一瞬にして、深層意識で計算を済ませる。

 意識を引き上げるように、真理は空を見た。

 蝕が──見えた。
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