青い空の下で
「いいえ。

あなたを好きになりそうだったから・・・」



そう,

真人と同じ声音を持っている
この男のことが
気になって仕方がなかった。



それは初めて会ったときに,


忘れかけていた奥底に眠っている感情が
わきあがってきた自分自身に
戸惑った答えだった。


私はこの男のことを
恋愛対象としてとらえてしまいそうな自分を抑えるために,この男のことを意識的に避けていた。



それが,
この瞬間,
自分自身で自覚したことだった。

こんなに心が痛くて,
ドキドキする感情を,
私はもうずっと忘れていた。


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