青い空の下で

しばらくして,私は顔を上げてマスターを見た。
マスターは私の顔をまじまじと見つめると。急に腹を抱えて大笑いはじめた。


「ともちゃん。すごい顔。パンダで黒い涙。」

「もう・・・マスターひどい!!」

そういいながら,私は裏の化粧室へ駆け込んだ。
鏡の中の自分と対面すると,本当に言葉で表現できないくらい
ひどい顔だった。
そんな自分の見つめながら

「本当に,馬鹿だね・・・」

とつぶやくと,急に笑いがこみ上げてきた。

私は蛇口を全開に開くと,つめたい水で顔を洗った。
この水で自分の中に渦巻いているたくさんの思いが
流れるように,私は何度も何度も洗った。
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