【長編】ホタルの住む森
「夢を見るんです。
18歳の頃から、この丘の風景やあなたの夢を見るようになりました。
もしかしたら、私が子どもの頃にあなたと会った事があるのかもしれません。
でも少し違うような気がするんです。
夢の中では私はあなたにとても近い存在で、あなたをとても愛しているんです」
陽歌の衝撃的な告白に、晃は一瞬言葉を失った。
「初めて見た夢は今でも忘れられません。
真っ白な雪景色の日、私はあなたと教会で結婚式を挙げるんです。
私のおなかには赤ちゃんがいて、とても幸せで…」
晃の目の前に鮮やかにあの日の幻影が蘇る。
陽歌が語る夢は、短い時間を燃え尽きるように激しく心を寄せた日々だった。
「他にはどんな夢を見たの?」
晃は声が震えないよう、静かに先を促した。
心に浮かんだ一つの可能性を、有り得ない事だと否定してみても、確信は益々強まっていく。
それを裏付けるように、陽歌は次々と二人しか知り得ない出来事を語っていった。