お隣さんの恋愛事情



その後、私は朝子の恐ろしい視線を感じながら必死で頑張りました。えぇ、それはそれは頑張りましたとも。

隣に偶然やって来た、さほどイケメンではない(どちらかと言えば芸人寄り)男に、笑顔を振り撒いた。




「恭子ちゃんって仕事終わって何してんの?」



おっ、さっそく食いついてきたな!朝子にチラッと目をやれば、「行け!」と目で言っている。やるよ!私はやればできる子なんだ!



「お風呂かな、仕事終わったらやっぱりお風呂入んなきゃスッキリしないし!」



「そっか!飲みに行ったりしないの?」



「たまに行くけど、あんまりお酒飲めないし…」



本当は毎晩一人で飲んでますが。



「へぇ~弱いんだ!あっ、カラオケとかでは何歌うの?」



「えっと~AKBとか?」



本当は和田アキ子とかかな。



「聞いてみて~!恭子ちゃん歌上手そうだし!」



「そんなことないよ!」



風呂ではいつも一人歌謡ショーしてますが。



「てかさ、後で抜けない?二人で!」



「へ?」



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