実の弟に恋をしました。
──コンコン。
遠慮がちにドアを叩いてみる。
「……」
…が、案の定返事はナシ。
こりゃ、確実に爆睡してるな。
あたしは一瞬躊躇ったけれど、意を決して陸の部屋のドアノブを捻った。
──ガチャ。
「り、りくちゃーん?」
恐る恐るベッドに近づき、陸の名前を呼ぶ。
それでも陸は、あたしに背を向けるように布団をかぶったまま、ビクともしない。
「おーい、陸ー…」
布団からはみ出した後頭部を、人差し指でツンツンとつついてみる。
「んー……」
すると陸は、小さく声を上げると再びふとんの中に頭を埋めてしまった。
──くそぅ、可愛い。