愛しいキミへ
【雅樹ならOKだよ。3人で楽しもうな。】

携帯を返すとすぐに返事を打ち出す。
メールを打つのですら楽しそう。

「…なぁ。」

─カチッカチカチッ
「ん?何?」

沙菜はメールを打ちながら顔も上げずに返事をした。

「…付き合ったばっかなのに…俺…邪魔じゃね?」

─カチカチッ
──パタン
携帯を閉じ、静かに俺の方を見た。

「邪魔じゃないよ。雅樹いないと、寂しい。」

にっこりと笑って、先を歩き出す。
少し開いた沙菜との距離。その間を初夏を感じさせる暖かな風が吹いた。

触らなくてもわかる。
俺、絶対に顔赤くなってる。
すっげー熱い。

立ち止まっている俺に気づいて沙菜が振り向いた。とことこっと、戻って俺との距離を縮めた。

「顔赤いけど…どうしたの?」
「…今日、暑いじゃん。」
「そっか。そうだね。」

顔が暑く赤いのを、暖かい風のせいにして・・・。
ゆっくり歩きながら、消えない沙菜へ恋心を、実感していた。
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