愛しいキミへ
「別れようって言ったんだ。」

・・・
・・・・・・は?
いま・・・なんて言った・・・?

「なに言ってんの?冗談きついよ。」
「冗談じゃない。さっきここで別れようって言ったんだ。」

ガタガタッドンっ!!
言葉を聞いたと同時に、俺は悠兄の胸ぐらを掴んで椅子に座った状態のまま、壁に押し付けていた。
悠兄は俺のことを見ようとはしなかった。

「自分がなに言ってるかわかってんの?」

声が震えた。
信じられない・・・嘘だ
悠兄が沙菜を傷つけるなんて・・・
胸ぐらを掴むても震える。

「わかってるよ。…だから雅樹に任せるってメールしたんだ。」

静かに告げる悠兄の言葉が信じられなくて・・・
ふつふつと怒りの感情がこみ上げてきた。

「っざけんな!!沙菜はおもちゃじゃないんだよ!!悠兄の気持ちはそんなもんだったのかよ!!?」

無言で・・・俺を見ない悠兄がムカついた。

「俺が…どんな気持ちで二人を見てたと思ってんだよ!!」

どん!!
感情のままに胸を殴った。
ふざけんな。ふざけんな。ふざけんな。

「ふざけんな!!俺がどれだけ沙菜を好きだったか…わかんなかったのかよ!!!」
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