愛しいキミへ
「まさ…き…?どうしたの?」

目を見開き俺が来たことに驚く沙菜。
さっきぶつかったことなんか気がついていないようだった。

「沙菜……大丈夫?」

そばに来たのはいいものの、かける言葉が見つからず・・・ありきたりな言葉をぶつけてしまった。

「…悠ちゃんに聞いたの?」

ショックを受けたように呟いて目をそらした。
唇をかみ、小刻みに震えだした。

「…振られちゃった。こないだ指輪くれたのに…意味わからなくて…ぶっちゃったよ…悠ちゃんのこと。」

指輪に触れ、その場にしゃがみこみ膝を抱えた。
声が聞こえるようにと、沙菜の前に自分もしゃがむ。
呟く声に混じり、沙菜の悲しい泣き声が聞こえた。

「悠…ちゃん…。こんなに好きなのに…な…んで…。わた…し、どうすれば…いいの…?」

ひっく…ひっく…ぐすぐす…
泣く沙菜が今にも壊れそうそうで・・・
ボロボロになった姿に耐えられなかった。

気づいたら・・・抱きしめていた。
強く・・・強く・・・俺の力で沙菜が壊れてしまうんじゃないかと思うくらい──

「…雅樹…?」

沙菜の声なんて聞こえなかった。
ずっと・・・ずっと・・・こうして抱きしめたかった。
こうして・・・
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