林檎と蜂蜜

「先輩、俺好きな奴いるんで」

意識的に低い声を出したら、先輩は強張った。
それが俺の答え。付き合う気なんてさらさらネェ。この前の小川の事件でもう懲りたっての。


―…隆司がカノジョ作ったなら、梨紗は僕がもらってもいいってことだよね。



猛のメールの一文が頭の中を光速で過ぎった。

やべぇ…!

そう思ったときには、エナメルバッグを引っつかんで玄関へ走り出していた。
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