林檎と蜂蜜
「「…」」
痛い沈黙が続く。
なんで好き同士の二人が…。
猛の言葉の、その部分ばかりがリピートされる。意を決して俺は口を開いた。
「あの、さ」
梨紗はビクリと体を震わせた。
「俺、梨紗のこと好きだ。猛に先に言われたけど…」
「……」
彼女は俯いたまま何も言わない。
「おまえは…その……いや、か?」
「なにが…?」
「俺と、付き合う、の。」
こういうのってなんて言えばいいのか本気でわからねぇ。愛の告白。幼馴染にこういう形で取り持ってもらって、こういう形で告ることになるとは思わなかった。本当、情けねぇ…。
なんか情けなすぎて、笑えてきた。
「わりぃ、変なこと聞いて。」
彼女は変化なんて望んでなかったのかもしれない。もしかしたら、猛も。そして、俺も。
この、幼馴染という関係が、俺たちには一番ふさわしいのかもしれない。
近くて、そしてある意味、遠い距離。
「隆司は…」
「ん?」
「隆司は、なんで彼女作らなかったの?」
「は?」
今更なことを聞かれて、俺は間抜けな返事しか返せなかった。
「なんでって。」