リボンの指輪
いつもは、誰かしらがいて、
落ち着けないんだもん。




「俺は、陽菜の家が近くて良かったと思うよ」




「どうして?」




「だってそうしなきゃ、陽菜はこの高校、選ばなかったかもしれないじゃん」




「た、確かに」




どっちにしろ、一番近い高校を選んでいたに違いない。




電車通学も、自転車通学も、
雨や雪の日は大変だと思ったから。




それにたまたま、この高校は公立だったし。




「だから、結果オーライってことで」




優希くんってやっぱり、ポジティブよね。




頼って、滅多にそういうこと言わないから、余計にそう思える。
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