リボンの指輪
「送ってくれて、ありがとう」




「どうせ通り道だから」




もうすでに辺りは暗くなっていて、優希くんの細かな表情は読み取れない。




でもきっと、優しく微笑んでくれているのだろう。




「陽菜…」




優希くんの唇が軽く、
あたしの唇をかすめる。




ああ、もっと一緒にいれたらいいのに。




「……また明日」




「うんっ、また明日ね」




早く、明日になればいい。
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