リボンの指輪
今日もそうやって、女の香水の匂いをぷんぷんにつけてるくせに。




昨日とは違う香り。




今日は、誰と一緒にいたんだろうか。




もしかして、部屋に呼んだのかもしれない。




だから、あたしを部屋に、
呼べないのかもしれない。




「家の前でああいうことするのは、やめたら?」




「ああいうこと?」




意味が分からず首を傾げたあたしの唇を、頼は指差した。




「……え?」




「こっからだとさ、玄関先、よく見えるの、知ってた?」




「え――――――!?」
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