秘密の片思い
夕食はほとんどルームサービスだった。


レストランへ行くと郁斗の正体がばれてマスコミが来てしまうかもしれない。



何を食べようかと日菜がメニューを見て考えていると千波が戻ってきた。



「お疲れ」



郁斗が疲れたような顔をしている兄に言う。



「あぁ 仕事になって悪かったな」


「いや、俺はいいけどね・・・」


ちらっと千波が入ってきたのに無関心を装い、メニューを見ている日菜を見る。


千波がフッと笑う。


まあ、この2人ならすぐに仲直りするだろう。


絶対に日菜が折れるはず。


手のひらでころころと転がすように日菜の気持ちを操縦する兄だ。


心配する必要もなく、翌日の朝には甘い雰囲気が戻った日菜と千波だった。




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