いちえ
優しく瑠衣斗を見つめる橋田先生の瞳は、とても暖かく、そして深い。
どこまでも優しく、瑠衣斗を包み込むような…深い深い愛情を感じられた。
やっぱり2人の会話は分からないけど、不思議と気持ちが温かくなっていく。
きっとるぅは、橋田先生の事が好きなんだろうな。
どんな中学生だったかは、少ししか話を聞いていないから分からないけれど、橋田先生はるぅが可愛いんだろうな。
手の掛かる子程、可愛いって言うくらいだしね。
そう言えば、ヨネさんもるぅは変わったって言っていた。
不良…だったらしいるぅは想像もつかないけれど、丸くなったって事なのかな…?
「変わった…のかもな」
ポツリと言う瑠衣斗に対して、橋田先生が細めていた目を小さく見開く。
それはほんの一瞬で、その目は再び細められた。
「多分、コイツのせい」
コイツ…?って、私?
瑠衣斗の横顔からは、真剣さが伺える。
橋田先生を見つめている瑠衣斗の瞳を、覗き込む事はできない。
そんな風に見つめていた私に、突然瑠衣斗の瞳が向けられる。
固まってしまったように動けない私に対して、口元を緩めて微笑む瑠衣斗を、とても綺麗だと思った。
色素の薄い瞳に、しっかりと私を映し出した瞳が、優しく私を見つめている。
「なあ、先生…。……アイツが、出会わせてくれたのかな」