せんせいは15才
(家庭料理は、何年ぶりだろうか・・・)
もう、かなり前、父母が生きていたときの頃まで
さかのぼることになる。
それ以来、彼は家庭料理を食べていなかった。
目の前にある家庭料理を箸にとり、口に運んだ。
懐かしい、味と香りが口の中に広がった。
温かさ、優しさ・・
それが詰まっている味だった・・・
<孤独>は正反対にある
<人>のぬくもりの味だった・・
「おいしい・・・」
黒崎は口にしていた。
「うれしい・・
あれ、黒崎君?!!」
かずいは、びっくりした顔をして黒崎を見た。
黒崎は、泣いていた。