せんせいは15才
「どうしたの?なんか、辛いのとか入ってた??」
私はびっくりして黒崎の目を覗き込んだ。
黒崎の目から、とめどなく涙があふれている。
「違う・・おいしくて・・涙がでた」
テーブルを挟んで向きあっていたけど、
私は心配になって、黒崎の隣にそっと腰を下ろした。
ハンカチを差し出す。
「懐かしくて・・・家庭料理なんてしばらく食べてなかったから」
「ありがとう・・・」
黒崎は、私に寄りかかってきた。
「黒崎君?・・・」
「ごめん、今だけ・・」
黒崎は、私に顔をうずめていた。
涙はとまらないようだった。
多分、黒崎は、とてつもない苦労をしている。
それは、今、もうわかる。
彼は、きっと、孤独だったんだと思う。
「黒崎君、私にできることがあれば、なんでもするから・・
我慢なんてしないで」
私は、彼の孤独が伝わってきて、
のどが詰まるのを感じた。
涙が一粒こぼれた。
黒崎を抱きしめた。