Cry!Cry!Cry!



「健太が退部した。」




ぶっちょ先輩の言葉に余韻が残る。







あたしはベンチから飛び出した。





「止めようとしても無駄だぜ!」



ぶっちょ先輩は大声で言った。



でも、あたしは動かずにはいられなかった。



それがあたしの性格だったから。






「うへっ…なんで浅見さんが…。」



健太先輩の教室に行ったらいなかったので


自分の教室(2‐C)に向かうと



浅見千尋が窓から教室の中の様子をうかがっていた。





「あっ・・・。」


浅見千尋と目が合う。


「何してんのぉ?」


「明日までの英語の宿題のプリントを

ロッカーの中に入れっぱなしだったんだけど…。」


まぁなんと言う生真面目。

(とか言って、自分は英語の授業のうちに終わらましたが。)



あたしは教室の中をそっと覗き込んだ。



「うっせぇ!お前には関係ねぇだろっ!!」


「関係あります!!」



健太先輩とヒカルくんが言い合っていた。


うはぁーっ、ヒカルくんに先手を取られたか。

 


「すごいね…あんなに言い合い出来るの…。」


「へ・・・?」



浅見千尋はぽつりと言った。


そのあと浅見さんはそれに関連する事は一切言わず


あたしもそれほど気になりはしなかったから聞かなかった。



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