Cry!Cry!Cry!
~Thihiro~
「ゆーみんって南葉っちともぅキスしたの?」
鈴浦夕実はブーっと麦茶を噴き出す。
あたしは黙って布巾でテーブルを拭いた。
「その様子じゃ一線も越えてないそうじゃん。」
美々の顔はニヤける。
恋バナする時の美々の顔だ。
あたしたちは食堂に居る。
正直、こんな騒がしいところに長居はしたくはないが
あたしだって人づきあいっていうものがある。
「つか、付き合ってから2か月以上、
ナンちゃんのこと避けてるし。」
椎名さんがねぇ~?っと鈴浦さんに同意を求めると
鈴浦さんはふぃっとそっぽを向く。
「あっあたしは…まだ心が不安定なの!!」
言い訳にしか聞こえない。
最近、鈴浦夕実の事がもったいない人だと思うようになった。
人なんてどうでもいいけど
南葉くんが関わっているから。
「てか、浅見さんって彼氏いないの?」
椎名さんがまっすぐな目であたしを見た。
「いない。」
へぇー意外!っと鈴浦さんと椎名さんは顔を見合わせた。
「好きな人は?」
「え・・・。」
≪はいっ、僕の勝ち☆≫
≪うわっ、腕ほそっ!!折れちゃいそうっ≫
≪さびしかったんだね。ずっと・・・≫
≪いいよ。でも、どうせだったらいつもの6人で食べに行こうよ!≫