Cry!Cry!Cry!
「はぁ…。」
落ち着くとため息をつく。
「モデルなんだから、髪を大切にしなきゃダメだよ。」
「その仕事は辞めたの。もぅ口に出さないで。」
美々は罰が悪そうにハンカチで口をつぐむ。
「・・・・・。それよりさ、なんでついてくるの?」
「えっ・・・?」
美々は少しもじもじしながら言った。
「ミミと千尋って似てるから。」
「似てない」
「もぅ一言一言を否定しないで!!」
美々は涙目で訴えた。
分かった。
あたしは後ろに手をついて黙った。
美々は安心したように話し出す。
「ミミね、家族に嫌われてるんだぁ。」
こういう話を聞くのが嫌い。
ただの偏見のように聞こえるから。
いや、"ように"ではなく偏見だ。
「ミミね、家が秀才家族なんだ。
だけど、ミミだけ頭が悪いから家を出て、
今は不良の人たちとつるんでいるんだぁ。」
ミミは小さく微笑むと、そよ風が吹き、
耳にあく無数のピアスを開けた跡が見えた。
あまりよく見てなかったけど
腕には焼け跡が薄く見える。