妹の恋人は姉の彼氏の従弟
気分わるっ!

どうせそこら辺にいる男より
身長は高いし
筋肉だってある

胸の膨らみが小さいせいか
胸板の厚い男のようだ

髪は短く、ストレートだ
切れ長の眼は
可愛らしさとは無縁だった

おかげで共学なのに
告白してくるのは
女ばかりだ

「ここに来たのは
ホテル代を浮かせるのと
洗濯機を借りるためだ」

何がおかしかったのか
廉人さんの笑い声が大きくなった

汗まみれになった洗濯物を
洗濯機に放り投げると
居間に戻った

おしゃれなカップにはいった紅茶が
湯気をたてて
テーブルの上で飲まれるのを待っていた

「熱いの?」

「紫音ちゃんは猫舌だっけ?」

「別に」

私はソファに座った
廉人さんは床に座って
私の顔を見るなり
肩を揺らして笑った

「本当に花音とは
姉妹に思えないよ」

「お姉ちゃん、日に日に
綺麗になっていくからな~
心配だろ?」

「そうなんだよ
大学は魔の手がたくさんあるから
…っておい!」

「将来の義兄は大変だな!」

「あ、そうだ
今日はもう一人、客人がいるんだ」

「は?」

「従弟なんだ
中学生なんだけど、明日のバスケの大会を
見たいんだと」

「バスケ?
…って明日の試合を見に来るのか?」

「まあ、奴の目的は
高校を選びだけどな
だから女バスより、男バスがメインだ」

それなら良し!
いや、別に試合を見られてもいいけどさ
私、強いから

「従弟とやらは
バスケやってるのか?」

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