シィ君のサンタクロース
「大丈夫やろ。今から帰れば、余裕やで」



「でも……寒いし。道も凍結してるかもしれへんし、雪降ってるかもしれへんし……」



なんで?

なんでシィ君、帰ろうとするの?



帰りたくない。


そう思ってるけど……。


そんなこと、わたしの口から言わせないで欲しい。




なんで、シィ君が言ってくれないの?




「ちょ……どしたん?」



胸が苦しくて、もうめいいっぱいだった。


気づいたら、ポロポロと涙が零れていた。



「だって……。な……んでっ……言ってくれへんの?」



「え?」


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