聖夜(クリスマス)の奇跡
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自宅マンションに着き、いつものようにポストに設置されたダイヤルを回す。
今日は珍しく郵便物が少ない。
ピザ屋と宅配の弁当屋のちらしだけだった。
今の状況を表すかのような侘しい二枚のちらしに、ただただ苦笑いを浮かべた。
エレベーターに乗り込み、五階のボタンを押す。
静かに上昇し、高音の機械音とともに扉が開いた。
508号室。――ここが私の城。
五階の角部屋に位置するこの部屋に越してきたのは、今から三年前。
大学卒業と同時に始めた一人暮らしだった。