残酷天使のララバイ~The last love songs~
 とうとう、プラチナは処置無しとでもいうように、肩をすくめ。

 モニターを切ったのと入れ替えで。

 背が高く、横幅も立派なクマみたいなヤツが、僕に近づいて来た。

「よう、チビ!」

 そう言うと、ヤツは、デカい手で僕の髪をぐしゃぐしゃとかき回した。

「今回も、トップやて?」

「へへん。
 すげーだろ、オパール……ぐえ」

 僕が、返事をすると、オパールは、顔中口にして、がはははと笑った。

 そして、ついでに、ふざけて僕のクビをしめて言った。

「オレのことは、クマでいいんやって言うとるだろ~~が。
 どうも、オパールなんて、スカした名ぁは、あかん!」

 クマは、僕のクビをぽい、と離す。

「それにしても、エラいやっちゃな。
 連勝中かぁ~~」

「うらやましいか?」

「アホぬかせ。
 チビの記録なんぞ、じきにオレが抜かしたるわい!」

 言って、クマは、自分のクビに下がっている、紅い石を大事そうに触った。

 
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