残酷天使のララバイ~The last love songs~
「チビが来るまで、オレらがずーっと、ここの一番やったんや。
 負けっぱなしでいる気はないで?
 な?
 オレのかわいい、ヴィーナスちゃん?」

 クマの呼びかけに、紅い石は。

 返事でもするように、ちかり、と光った。

「ヴィーナス……『ちゃん』?」

 僕が、思わず聞き返すと、クマは当然のように、言った。

「オレら、ラブラブやさかい。
 お互い、呼び捨てになんかせえへんの♪」

「……もしかしてお前。
 巨人に、クマちゃん、とかって呼ばれてる?」

「うん♪」

「うわーー気色悪っ!!」

 クマとは珍しく、気が合うし。

 こいつに限っては、チビと呼ばれても腹もたたないけど。

 こーいう風に、自分の首飾りに頬ずりしながら話しかけている姿を見ると……

 ……やっぱり引く。

 僕は、絶対、こんな種類の人間になりたくはない。
 
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