残酷天使のララバイ~The last love songs~
 僕が、肩をすくめると。

 クマは、手をぱたぱた振って言った。

「ま、ええわ。
 それよかチビ。
 オレ、最近変な話を聞いたんやけど……」

「何?」

 僕が聞き返すと、クマは、ぐっと声をひそめた。

「いっつもオレらが戦ってる敵な。
 正体はなんやと思てはる?」

「……地球侵略をたくらむ宇宙人だろ?」

 クマの声につられて。

 僕も、小さな声で、ささやいた。

 本当は、声を落とす必要なんかないのに。




 西暦21XX年の今。

 ……地球は、地球外生命体からの侵略の脅威にさらされていた。



 それは。




 誰もが知っていることだったから。


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