うさぴょん号発進せよ
「じゃあ、なんでワープ圏外へ逃げる前に、止めることができなかったんだ?そこで見つけてりゃ、もっと簡単に捕まえることができただろうがよ」

「タスクが盗んだ船はゴードン商会所有で、それも旧式のものだったらしいでちから。
だから、ワープ着地地点を割り出すのに、通常よりも時間が掛かったんでちよ。
もう少し早く気付いていれば、或いは圏外へ逃げられる前に、阻止できたかもしれないでちけどね」

「!そう…か」

船長のその言葉を聞いたコウヅキは、急に目線を下へ落とした。

「そうか、あの時…、あの時にオヤジの話を、もっとよく聞いていれば…」

眉間に皺を寄せ、何やら呟いている。

「コウヅキのせいで話が逸れてしまったでちから、続きを言うでち」

船長はそんなコウヅキを尻目に、淡々と話を先に進めた。
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