うさぴょん号発進せよ
トヲルが先程からその場で、何度かジャンプをしていたのである。

「なんか身体が軽くなったなぁ、なんて思って」

この地に着くまではかなり不安だったトヲルも、地面に足が付いた途端に、一気にそれが払拭されていた。

それまであった宇宙服の煩わしさもなくなり、身が軽く、多少余裕も出てきたのである。

『ん?どうちたでちか?』

『いや、こっちの話だ。それより、どっちへ行けばいい?』

『そちらへ、位置座標を転送するでち』

程なくして、コウヅキのヘルメットにデータが転送され、目の前に投影された。

それに従いコウヅキは移動する。トヲルも持ってきた荷物を抱え、ついていく。

突如、地面が大きく揺れた。

音が聞こえていれば地響きを立てているのが分かるのだろうが、ヘルメットの中には外音が聞こえてこないのである。

トヲルは恐怖もあったのだが、なにより大きな揺れで立っていられなくなり、四肢を地面につけた。
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