うさぴょん号発進せよ
音が徐々に大きくなり、それと同時に左側の壁の一部が動き始めた。

その壁が完全に上にスライドすると、間もなく地響きはおさまった。

壁のあったその場所には、下へと続く狭い階段が姿を現していた。しかし奥の方は暗く、何処まで続いているのかまでは確認することができない。

暫く3人は用心して、その場に立ち尽くしていたが、取り敢えずは再び地響きが起こる気配はなさそうだった。

(もう、終わったのかな?…でも)

トヲルは少し緊張を解きほぐしながら、

「なんでこんなところに階段が?」

下を覗き込んで呟いた。

「ここには壁なんて、最初はなかったのかもしれねぇな」

コウヅキが近付いてきて言った。
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