うさぴょん号発進せよ
「もしかしたらヴェイトが、僕たちを誘導してくれているのかな」

この場にいないヴェイトが何処かで近道を発見し、隔壁を操作して道を作ってくれているのだろうか。トヲルにはそれしか考えられなかった。

「!そっか。そうだよね。それじゃ早く行こうよ!」

トヲルの言葉で顔を輝かせたミレイユが元気に、真っ先に階段を下りていく。

「て、おいっ!ミレイユ!?」

コウヅキも慌てて後を追いかけた。

(ミレイユは暗いのとかって、ぜんぜん平気なのかな)

トヲルはそんなことを思いながら、一番最後に階段を下りていく。

下に行くにつれて闇が深くなっていたため、トヲルは腕輪に備わっているライトで足元を照らしながら、慎重に下りていった。

カビ特有の埃っぽい臭いがしてきた。

この建物内は空調設備により、空気は清浄化されているはずなのだが、もしかしたらこの通路は、あまり使用されていないのかもしれない。

階段は思ったよりも短く、すぐに下へと辿り着くことができた。

突き当たりには扉があり、ミレイユとコウヅキがその前に立っていた。

「あれ?またセキュリティが掛かっているの?」

コウヅキの手元を照らしながら、トヲルは聞いた。どうやら壁に掛かったスイッチらしきものを、調べている様子である。

「いや、開いているようだ」

「それじゃあ…?」

何故早く中に入らないのか、とトヲルは疑問に思う。

「何か、変じゃないか?」
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