紅き瞳に囚われて
「だって、マズイじゃん!!食堂の人工血液」

風峪と呼ばれた茶髪野郎は、ふて腐れたように言う。

「テメェよぉ。マズくたってな、皆我慢して飲んでるんだからさー、我慢しろよ……」

「無理、嫌」

その言葉にガックリと肩を落とす木谷。
……頑張、木谷。

「?ねぇ、谷。後ろの子、誰?」

ようやく気付いたようで、木谷に聞いている茶髪野郎。

「あー、コイツは神波 涙南。今日から、俺のクラスに編入する」

「へぇ…」

訳あり気に呟くと茶髪野郎は、いつの間にか、私の後ろにいた。

「君の血は、美味しい…?」

耳元で、聞こえる茶髪野郎の声。
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