紅き瞳に囚われて
そのまま、風峪とふざけているうちにお昼になった。

「昼飯ぃー!涙南、食堂行こう」

食堂の場所もよく解ってないから、ちょうどいい。





「俺、カツカレーと人工血液。涙南は?」

「……カルボナーラとオレンジジュース」

食堂のコックさんに料理を注文して、席につく。

「涙南、血ぃ飲まねぇの?」

…確かに私もヴァンパイアの端くれだ。だから、血液を摂取しないとならない。が、

「うん。まんまり、好きじゃないんだ」

「ふーん。まぁ、人工血液は美味くないよな!」

……そういうことじゃねーよ。


人工血液とは、人間の血液を元に作られた、ヴァンパイア専用の飲み物。
< 18 / 44 >

この作品をシェア

pagetop