紅き瞳に囚われて
「初めてだよ。お前みたいな奴」

そう言う、理事長の目はやっぱり紅く染まっていた。

「嶺、コイツの名前は?」

いきなり聞かれて吃る金髪教頭。

「か、彼女は神波 涙南。高等部一年に編入します」

「神波…?お前、ハンター一家の娘か?」

そう聞かれて、体が強張るのが、わかった。

「………」

「言わないか。まぁいい」

そんな私に奴は近づいてきて、私の顎を思いきり掴んだ。

「顔は悪くない。……その俺を睨む瞳もいいな」

品定めかよ……!
私は変わらず、睨む。

「お前、気にいった」

そう言って、微笑むものだから、私は思わず見入ってしまった。
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