紅き瞳に囚われて
私はバッと顔を反らす。
漣の紅い瞳を見続けるのは危険だから。

「……。では、なぜお前は龍我を追っている?」

答えない私に痺れを切らしたのであろう。
漣は質問を変えた。

「……私がこの学園に来たのは、お前を漣 龍我と間違えたからだ」

私は漣を真っ正面から見る。

「私はアイツを殺しに来たんだ」

「………」

そう言った私を驚きもしないで見る、漣。




「…そうか」

漣は暫くの沈黙の後、一言そう言った。

「それだけか?お前は漣 龍我と血縁関係ではないのか?」

その一言に驚いたのは私の方だ。
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