恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


重なり合う唇。


一瞬の隙間の後、おまわりさんの唇が私の上唇を何度もついばむように優しく挟んだ。



こんなふうにキスするなんて……。


まるで会話のない世界で、

『好き』を告げられてるみたい。


ドキドキしていた胸の中が熱くなり、溶かされていく。



もっと

もっと感じていたい……。


この想い、伝えたい……。





けれど、おまわりさんの唇は私の思いとは裏腹に離れていった。


虚ろな瞳に映るおまわりさんの顔。

その表情には、少しの紅潮と言葉には出来ない大人の魅力が溢れていた。




「俺……なんか変かも」

「え……?」


視線を下に落としたおまわりさんの言葉に、私は目を丸くした。



「学校に居るせいかな……。
今、凄く幸せなのに、イケないことしてる気分」


俯くおまわりさんの頬が、どんどん赤く染まっていく。


「イケないこと? おまわりさん、なのに……?」

「おまわりさん……だからかな。
なのに、もっとキスしたいって……思ってしまう」



顔を上げないおまわりさんから、重く切ない空気が伝わってくる。




ねぇ、おまわりさん

おまわりさんの心の隙間には、罪悪感が潜んでいるの?


そんなもの、いらないよ。

消してしまおうよ……。




私は俯いているおまわりさんの頬に手を置き、おまわりさんと視線を重ねた。



「イケないこと……しよう?」








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