恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
私は一瞬のキスをおまわりさんの唇にした。
触れるだけの、軽いキス。
私の行動に驚いたおまわりさんは目を見開き、見る見るうちにその顔を紅潮させた。
「ふふ……、驚いた?」
そう言いながらも、本当はドキドキしてる。
自分の行動に。
おまわりさんの反応に。
え……
あれ……?
何も言わないままテレビのリモコンに手を伸ばしたおまわりさん。
静かだった部屋に芸能人の声が聞こえはじめ、テレビのスイッチが入ったかと思うと……
目を丸くしている私の視界は、おまわりさんでいっぱいになった。
おまわりさんの唇が、私の唇を塞ぎ続ける。
次第に吐息が零れ、おまわりさんの舌が私の中に入ってきた。
おまわりさん……
このまま深いキスに入っていく。
そう思った瞬間、おまわりさんの声が私の目をぱっちりと開かせた。
「驚いた?」
「……へ??」
「お返し」
舌をペロッと出したおまわりさんの悪戯な笑みが、私の胸をキュンっとさせる。
それと同時に私の顔を真っ赤に染め上げた。