恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「美樹、大丈夫?」

「うん、わざわざありがとう」

「やだぁ~、あらたまっちゃって~」



ふふっと笑った智子の顔を見ると、胸の中がじわっと温まった。


きっと心に涙があるなら、

今、私の心は涙で溢れてる。




「お母さんこれから病院に行ってくるわね。
智子ちゃん、ありがとう」


お母さんは私たちに優しく微笑み、静かに部屋を出て行った。





「熱は?」

「もうほとんどないから、明日から学校に行けると思う」

「そう、良かった。これ、駅前で買ってきたプリンなんだけど、食べれる?」

「うん、ありがとう……」



智子の優しさが凄く嬉しい。

やっぱり智子とは同じクラスでいたかったな……。


寂しがり屋な心が一気に溢れてきた。





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