恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「美味しい」
「でしょ? ここのプリンはみんなにお勧めできちゃうくらい美味しいんだ」
一口くちの中に入れると、プリンのほどよい甘さが口の中に広がり、風味と一緒に喉へと溶けていく。
智子がお勧めできるっていうのがわかるよ。
久しぶりの智子との二人の時間。
プリンを食べ終えた私は、智子に先生のことを相談したくてドキドキしながら口を開いた。
「智子」
「なに?」
「あのね……」
さっきはプリンがスゥっと流れるように入った喉なのに、今は言葉が詰まって出てこない。
なかなか言葉を発せないでいる私に、智子が口を開いた。
「美樹、何があったの……? 私、なんでも聞くよ?」
何もかもを包んでくれるような智子の優しい声。
私はその声に安心して、保健室での先生との出来事を話した。